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旧長野県知事公舎移築復元工事

旧長野県知事公舎移築復元工事
所在地 長野市南長野 → 上水内郡小川村
竣工年 平成16年3月
  • 旧長野県知事公舎移築復元工事
    着工前の洋館正面です。大正9年(1920年)文部省の設計により造られた建造物でした。公邸部分の洋館・和館と私邸部分の和館、そして収蔵庫に使われていた土蔵を知事公舎として使用されていました。小川村へは公邸部分の洋館・和館が移築復元されています。
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    着工前の洋館2階応接室です。失われつつある貴重な大正ロマンが至るところに見られましたので、その一部をご紹介します。壁紙にはレース編み風のクロスが張られていました。天井にはシャンデリア、壁には暖炉、お客様を迎えるための贅沢な一部屋となっていました。
  • 旧長野県知事公舎移築復元工事
    こちらは着工前の応接室の暖炉です。1階の査定室にも同じような暖炉が設置されていました。この暖炉は実際に使用されていたそうです。暖炉廻りの緑色のタイルがいかにも大正ロマンを感じさせます。
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    着工前の1階の室内テラスです。可愛らしい小さなタイルが敷き詰められていました。寒かったのか、タイルの上には赤い絨毯が敷かれていました。
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    着工前の階段室です。赤い絨毯と壁のステンドグラス、絵柄は不明です。壁や縁、ドアには統一された装飾が施されていました。また1階の査定室や廊下にも赤い絨毯が敷き詰められ、重厚な感じが漂っていました。
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    着工前の公邸部分の和室です。広さは10帖。欄間が多く設置されていました。お客様が訪問された時に使われていたようです。
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    復元のため取り外し(解体)作業は一つずつ丁寧に行いました。壁や土間等から当時の貴重な物が多く出現しました。こちらは玄関取り外し部です。緑と白のタイルが出てきました。この玄関は以前改修されていて、改修前のタイルのようです。昔、コンクリートは高価でしたので、捨てずに玄関基礎(土留め)として再利用されたようです。また、壁から書類なども出てきました。紙も捨てずに基礎の一部として再利用されていたようです。
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    こちらは壁や天井などの一部です。復元のためのサンプルとして採取しました。壁や天井はそのまま移築できないため、同じ材料・色で再現します。どこの壁や天井の材料なのか細かく記載してあります。
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    こちらは洋館の外壁の中に入っていたなまこ瓦です。このなまこ瓦を外壁に入れることで、防犯、断熱、防音効果を期待して使用されたのではないかと思われます。
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    こちらは小川村へ移築復元中の状況です。この工事にはボルトを使わずに木を組み合わせて建設したため、通常の5倍の時間が掛りました。また、材木に「平成15年度修理」という烙印(らくいん)を押し、次回の修復に備えて改修年度を印してあります。
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    移築復元後の洋館2階応接室です。木工事までが当社の担当でしたので、ここまでで次の担当者へ引き渡します。
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    こちらは和室床の間です。「失われつつある貴重な大正ロマンの建物を残すことが、長野県の文化であり県民の宝である」とこの建物の調査をされた「信州伝統的建造物保存技術研究会」の方がおっしゃっていました。当社としましても、このような工事に携わることができて大変光栄に思います。