事業案内

茅葺き屋根を体験しようイベント報告

◆重伝建・戸隠「茅葺き屋根を体験しよう」◆ 平成30年9月22日(土)　長野市戸隠の宿坊「武田旅館」様にて、茅葺き屋根の体験イベントを開催しました。茅葺きを職人の方の指導のもと本格的に体験するコースと茅葺きの簡単な作業と重伝建地区を散策するコースの2つに別れて行動しました。
◆戸隠・武田旅館について戸隠地区は平成29年、国の重要伝統的建造物群保存地区（重伝建）に選定されました。「宿坊群」として選定されるのは全国で初めての事例です。この歴史ある地を守るため、当社でも再生工事に携わらせていただいています。現在、当社で茅葺き屋根の葺き替え工事を行っている「武田旅館」様は明治まで妙光院と呼ばれていました。武田という姓は武田信玄・上杉謙信の川中島合戦の時、武田信玄が戦勝祈願を戸隠山顕光寺にて執り行い、その祈願文を当家祖先の光如が取り次いだことからきています。神殿には戸隠神社御祭神を祀り、御本体の赤目不動尊を護持しています。
当日は雨の予報でしたが、イベントが始まってからは晴天に恵まれました。イベントには長野市以外の遠方からも参加があり、総勢31名の方にご参加いただきました。最初は全員で、茅置き場から長さ２～３ｍある茅束の運び出しを行い、本格体験コースの参加者は現場に残って作業を、散策コースの参加者は武田旅館の神殿のある広間にて茅葺についての講演を受けました。元茅葺き職人のS様のお話には皆様釘付け。S様自慢の精巧な茅葺き模型にも大変興奮していました。質問が多数飛び交い、皆様「へぇ～」と納得されていました。

◆茅葺き本格体験コース茅葺き職人のW様に茅の葺き方の指導や茅葺きの暮らしの考え方、屋根の仕組みを教えていただきました。最初の作業は、荒縄を使い男縛りと呼ばれる縛り方で屋根の下地を縛っていきますが、これがまた難しいんです。ただ力いっぱい結んでも職人の方のようにはいきません。皆さん苦戦して何度も何度も練習していました。その後、先程運んだ茅束を押切を使って根本と先端を切り揃え、茅束を敷き詰めて縄で固定し、槌や雁木と呼ばれる手道具を使って茅屋根の表面を叩いて整えていきます。最後に、針金を通した針を茅屋根に突き刺し、屋根裏にいる職人の方と声を掛け合いながら、茅を固定していきました。


参加者の中には小学生の姿もあり、大人に混じって茅葺きを体験していました。茅葺きの現場を初めて見たという参加者も多く、慣れない作業に最初は戸惑っていましたが、イベント後半には参加者同士の連携も取れていき、作業の効率も上がっていきました。茅葺き職人が不足している今、このような現場を体験できる機会もなかなかありません。皆様真剣そのもので、茅葺きの素朴な疑問や専門的な用語など興味は尽きず、もっとやりたいとおっしゃっている方も多い中、惜しまれながら体験終了となりました。


◆戸隠中社（重伝建地区内）散策コース戸隠中社地区を散策しました。中社地区の宿坊や戸隠神社中社、茅刈り場となっている戸隠スキー場、竹細工店の見学など、戸隠の歴史と共に散策しました。宿坊「極意」様では特別に中を見学させていただきました。当時から位の高い宿坊と言われており、国の登録有形文化財に指定されています。ガイドをしてくださった長野市職員のT様の説明がとても分かり易く、参加者の皆さんも満足されていました。


宿坊群を散策中、持ち主が居なくなり解体せざるを得ない民家がありました。歴史ある建物ですので、どうにか解体せずに再活用できないものか、と頭を抱える長野市職員のT様。「地元でも手を上げてくださる方が、残念ながらなかなかいません。重伝建地区内なので補助金交付にも対応しています！」とお話がありました。途中、向かい側の車庫内で、戸隠の伝統工芸品「竹細工」に使われる根曲がり竹を切り裂いている職人さんに遭遇。1本の竹を3つに平たく裂き、これらの竹を編むことで、様々な作品が完成するそうです。大変貴重な場面で、職人技の素晴らしさを実感しました。

あっという間の1日でした。天候にも恵まれ、両コースとも内容の濃い充実したイベントになりました。スタッフも参加者の皆様と楽しみながら運営ができ、大変うれしく思います。イベントにご参加いただいた皆様、そして武田旅館様をはじめ茅葺き職人の皆様、長野市職員様、講演していただいた皆様、イベント運営にご協力いただきありがとうございました。引き続き、屋根の葺き替え工事も完成に向け丁寧かつ安全に作業してまいります。

◆重伝建・戸隠「茅葺き屋根を体験しよう」◆ 平成30年9月22日(土)　長野市戸隠の宿坊「武田旅館」様にて、茅葺き屋根の体験イベントを開催しました。茅葺きを職人の方の指導のもと本格的に体験するコースと茅葺きの簡単な作業と重伝建地区を散策するコースの2つに別れて行動しました。
◆戸隠・武田旅館について戸隠地区は平成29年、国の重要伝統的建造物群保存地区（重伝建）に選定されました。「宿坊群」として選定されるのは全国で初めての事例です。この歴史ある地を守るため、当社でも再生工事に携わらせていただいています。現在、当社で茅葺き屋根の葺き替え工事を行っている「武田旅館」様は明治まで妙光院と呼ばれていました。武田という姓は武田信玄・上杉謙信の川中島合戦の時、武田信玄が戦勝祈願を戸隠山顕光寺にて執り行い、その祈願文を当家祖先の光如が取り次いだことからきています。神殿には戸隠神社御祭神を祀り、御本体の赤目不動尊を護持しています。
当日は雨の予報でしたが、イベントが始まってからは晴天に恵まれました。イベントには長野市以外の遠方からも参加があり、総勢31名の方にご参加いただきました。最初は全員で、茅置き場から長さ２～３ｍある茅束の運び出しを行い、本格体験コースの参加者は現場に残って作業を、散策コースの参加者は武田旅館の神殿のある広間にて茅葺についての講演を受けました。元茅葺き職人のS様のお話には皆様釘付け。S様自慢の精巧な茅葺き模型にも大変興奮していました。質問が多数飛び交い、皆様「へぇ～」と納得されていました。

◆茅葺き本格体験コース茅葺き職人のW様に茅の葺き方の指導や茅葺きの暮らしの考え方、屋根の仕組みを教えていただきました。最初の作業は、荒縄を使い男縛りと呼ばれる縛り方で屋根の下地を縛っていきますが、これがまた難しいんです。ただ力いっぱい結んでも職人の方のようにはいきません。皆さん苦戦して何度も何度も練習していました。その後、先程運んだ茅束を押切を使って根本と先端を切り揃え、茅束を敷き詰めて縄で固定し、槌や雁木と呼ばれる手道具を使って茅屋根の表面を叩いて整えていきます。最後に、針金を通した針を茅屋根に突き刺し、屋根裏にいる職人の方と声を掛け合いながら、茅を固定していきました。


参加者の中には小学生の姿もあり、大人に混じって茅葺きを体験していました。茅葺きの現場を初めて見たという参加者も多く、慣れない作業に最初は戸惑っていましたが、イベント後半には参加者同士の連携も取れていき、作業の効率も上がっていきました。茅葺き職人が不足している今、このような現場を体験できる機会もなかなかありません。皆様真剣そのもので、茅葺きの素朴な疑問や専門的な用語など興味は尽きず、もっとやりたいとおっしゃっている方も多い中、惜しまれながら体験終了となりました。


◆戸隠中社（重伝建地区内）散策コース戸隠中社地区を散策しました。中社地区の宿坊や戸隠神社中社、茅刈り場となっている戸隠スキー場、竹細工店の見学など、戸隠の歴史と共に散策しました。宿坊「極意」様では特別に中を見学させていただきました。当時から位の高い宿坊と言われており、国の登録有形文化財に指定されています。ガイドをしてくださった長野市職員のT様の説明がとても分かり易く、参加者の皆さんも満足されていました。


宿坊群を散策中、持ち主が居なくなり解体せざるを得ない民家がありました。歴史ある建物ですので、どうにか解体せずに再活用できないものか、と頭を抱える長野市職員のT様。「地元でも手を上げてくださる方が、残念ながらなかなかいません。重伝建地区内なので補助金交付にも対応しています！」とお話がありました。途中、向かい側の車庫内で、戸隠の伝統工芸品「竹細工」に使われる根曲がり竹を切り裂いている職人さんに遭遇。1本の竹を3つに平たく裂き、これらの竹を編むことで、様々な作品が完成するそうです。大変貴重な場面で、職人技の素晴らしさを実感しました。

あっという間の1日でした。天候にも恵まれ、両コースとも内容の濃い充実したイベントになりました。スタッフも参加者の皆様と楽しみながら運営ができ、大変うれしく思います。イベントにご参加いただいた皆様、そして武田旅館様をはじめ茅葺き職人の皆様、長野市職員様、講演していただいた皆様、イベント運営にご協力いただきありがとうございました。引き続き、屋根の葺き替え工事も完成に向け丁寧かつ安全に作業してまいります。